――伝統の早慶戦を3―1で制しました。試合を振り返っていかがでしたか。
中町監督「まず、この早慶戦というものは、あくまで学生主体で開催されているということ。その中で、たくさんのOBの方々や関係者の方々の力を借りながら開催されている大会であるということです。
自分自身、サッカー人生の中で慶應義塾大学で学んだことは非常に多いですし、慶應の関係者の方々が応援してくださることのありがたさも、現役時代から身に染みて分かっているつもりです。
そうした伝統のある試合で、今日はしっかり勝つことができた。本当に良かったと思います」
――現役時代には兵藤監督とも一緒にプレーしています。お互いを知っているからこそのやりにくさはありましたか?
中町監督「どちらかというと、自分はやりやすいと思っています。
自分も彼も、選手時代の一つの成功体験として、4―2―3―1のシステムで戦った2013年のシーズンがあります。あのシーズンをともに経験しているので、『どういうふうにサッカーを考えるのか』という部分では、お互いに分かっているところもあると思います。
そういう意味では、お互いを知っているからこそのやりづらさというものも、もちろんあるのかもしれません。
ただ、彼も選手として長くキャリアを重ねて、現在は大学で監督をやっていますし、早慶戦を離れれば本当に仲の良い間柄です。だからこそ、この試合ではお互いに良い刺激を与え合えているのかなと思います」
――前半は押し込まれる時間もありましたが、後半はカウンターからチャンスをつくりました。ハーフタイムでどのような修正をしたのでしょうか。
中町監督「外から見ていると、前半は押し込まれたように映ったと思います。ただ、自分としては『押し込まれた』というよりも、『自分たちのライン設定が少し低くなっていた』という感覚でした。
あとは、自分たちの強みである前線に、どういう形でボールを入れていくのか。選手たちもそこを意識しながらプレーしていました。
前線の選手たちには『もう少し前に行きたい』という思いがある。一方で、ディフェンスラインには『まずはやられたくない』という思いがある。その間に少しギャップができていたので、そこの距離感やライン設定を修正しました。
大きく何かを変えたというよりは、その部分を整理した程度です。自分たちの強みをどう活かすかというところを確認して、後半につなげました」
――学生たちが主体となってつくる早慶戦についてお聞かせください。
中町監督「学生たちにも話しましたが、今日までこの早慶戦をつないできてくださったOBの方々がたくさんいます。そうしたOBの方々が築き上げてきた歴史があって、それを今の現役部員たちが受け継いでいる。
その中で、実際にピッチに立つ現役部員たちが主役です。選手たち自身が本気で早稲田に立ち向かっていく。そして、本気で早稲田に勝つ。その思いを持って、この試合に臨むことが大事だと思っています。
特に最上級生である4年生にとっては、『自分たちが最後の早慶戦をどう迎えるのか』ということが非常に大きな意味を持ちます。
今年の4年生は、昨年1部から2部に降格し、さらに今シーズン前期もなかなか自分たちが思うように勝ち点を積み重ねられない状況の中で戦ってきました。
そうした苦しい状況がありながら、本当にこの早慶戦に向けて真剣に準備してくれました。4年生は、監督である自分以上に早稲田の試合を見ていたんじゃないかと思うくらい、本当によく相手を研究していました。
それだけこの一戦に懸けていましたし、非常に良い準備をしてくれたと思います。そうした4年生の思いも含めて、今日こうして勝利という結果につながったことは、本当に良かったと思っています」
――スタンドには横浜F・マリノス時代からのファン、サポーターの姿もありました。
中町監督「自分の選手生活を振り返っても、F・マリノスで過ごした時間が一番長いです。
もちろんOBとしての自分の立ち位置は分かっていますし、F・マリノスには本当にたくさんのレジェンドの方々がいます。それでも、自分自身がF・マリノスからいただいた縁や恩というものは非常に大きいですし、自分にとってF・マリノスで過ごした7年間というものは、決して揺らぐものではありません。
現役を離れて大学サッカーの指導者になった今でも、こうして自分のことを気にかけていただいて、試合を見に来てくださる方がいるということは、本当にうれしいです。
これからも、その縁を大切にしていきたいと思っています。引き続きよろしくお願いします」








