【インタビュー】マリノスユース出身の加藤健太選手の震災復興への思いにこたえたい!

NPOハマトラでは、これまでお伝えしましたとおり、マリノスユース出身の加藤健太選手を通じて、震災復興の一環として、東北のサッカー少年に新品のボールを寄贈するための募金の呼びかけをしてまいりました。

◇【募金のお願い】宮城(東北)のサッカー少年たちへ新品のボールをプレゼント

NPOハマトラは、宮城県で社会人リーグに所属している、その加藤健太選手にインタビューを試みました。

■加藤健太(かとうけんた)1987年6月19日生まれ、25歳。宮城県東松島市出身。宮城県の塩釜FCからF・マリノスユース。マイクや秋元陽太と同期で、主にボランチとしてプレー。2005年のadidas cup-U-18クラブユース選手権-準優勝の時のメンバー。マリノスユースを「卒業」後、大阪学院大を経て、2010年J2のロアッソ熊本に加入。昨年6月、震災被害にあった故郷の宮城で復興の手助けをすることを決意し、プロ選手を引退。現在は故郷の東松島市を中心に被災地での少年サッカー教室等の活動。自身も東北1部リーグ•ヴィーゼ塩釜でプレー。

 

参考記事:
元J2熊本・加藤健太さん 「家族支える」引退、帰郷(河北新報)

-今日はお忙しい中、お時間を頂きありがとうございます。
プロサッカー選手引退を決意した時の気持ちや現在•未来の被災地で活動についてお話をお伺い出来ればと思います。

「僕がサッカーを始めたのは小学校1年の時で最初は東松島のチームでプレーしていました。その後に塩釜FC•横浜Fマリノスユースに進み大学は大阪学院大学へ進学。そのまま大卒でロアッソ熊本に入団しました。プロ2年目の2011年の6月にプロ選手を引退しました。」

-東日本大震災を経験しプロ選手を引退する事を決意した時の想いを聞かせてください。

「震災があった時は熊本に居たんですが、5日後くらいに東松島市の実家に戻ってきました。その時に変わり果てた故郷の姿を見て、その時はやっぱり色々な事を考えさせられてサッカーの事を考えている場合じゃないと思い引退を決意しました。」

−実家の被害はどのような状況だったのでしょうか。

「土台はしっかりと残ってはいましたが、1階は1メートル50センチほど浸水してもうダメな状態でした。そこに住んでいた家族は結果的には全員無事でした。ただ、母と祖母は最初、全く連絡が取れなくて不安でしたね。親父とは地震直後にメールで連絡が取れたんですが、自衛隊員なのでその後連絡が取れなくなり津波で流されてしまったのではないかという風には考えました。」

-お父さんが自衛隊員という事で被災地の話を聞いて感じた事などはありましたか。

「色々聞いたので、感じる事は多かったです。そして、自衛隊員という事で家にはほとんど居ない状況でした。なので、兄と自分が実家の片付けをしていました。10日間くらい実家には居たのでやれる事はやったのですが、片付けは全然進まなかったですね。」

-その後、熊本に戻って練習を再開されたんでしょうか。

「そうですね。熊本に戻って練習に復帰しました。けど、サッカーをやっていてもやっぱり心のどこかで引っ掛かる事があって。故郷の事が気になるし、サッカーに集中出来なかったです。」

-ロアッソ熊本を退団して地元に帰ってからはどのような生活を送られていたんでしょうか

「地元に帰って最初は無職でした。何もしていなかったわけではなく、寄付で頂いたサッカー用品を配ったりしていました。あとは東松島市でサッカー教室のような形で子ども達と一緒にサッカーをやったりですね。もちろん、家のまわりの片付けもしていました。10月に一度就職をしたんですが、仕事が忙しくそういった活動はあまり出来なくなりました。」

−今は東北1部リーグのヴィーゼ塩釜でプレーしているそうですが、選手としての復帰のキッカケは?

「仕事が変わったり震災から時間が経ち身の回りの事が落ち着いたのもそうなんですが、やっぱりマイクとか自分が同じチームで一緒にプレーしていた仲間が頑張っている姿を見て自分ももう一度サッカーをしたい!って思ったんですよね。自分の人生でサッカーとは切っても切れない関係なので。
ただ、プロでもう一度というよりも地元にはこだわりました。それで、ヴィーゼ塩釜に正式に加入したのが震災からちょうど一年の3月12日でした。」

−様々な想いを持って地元に戻ってきてこれからはどういった活動を?

「正直、自分はサッカーしか出来ないので、被災した子ども達とか地元の人たちの為に活動をしていけたらなと思っています。サッカー環境に関しても改善していけたらなと思います。そのために地元に戻ってきたので」

-実際に今、サッカー少年達が置かれている状況はどのようなものなのでしょうか

「沿岸部の方は公園は学校の校庭には仮設住宅が建っていたりしてサッカーをする場所があまりないですね。練習場所は限られてきますし山盛りの瓦礫が積まれた横の土のグランドで試合をしたりしているんです。凄い異様な光景でしたね。全くサッカーが出来ないわけではないですけど、恵まれてるとは言えないですね。」

-そういった状況の中で、サッカーファンの僕たちに出来る事はありますか?

「そうですね。道具でいうとやはりボールだったりっていう用具は未だ足りていないかなと感じています。震災後に全国から寄付で頂いた話も聞きますが各チームに満遍なく届いたって話はあまり聞かないです。チームによって多く貰っているチームがあったり逆に少なかったチームがあったりするようなので。
あとは、ボロボロのボールを蹴っている子も多いですね。親も震災で金銭的に厳しいので新しいものはなかなか買ってもらえないので。けど、やっぱサッカーをしている身としては新しいボールを蹴ったり出来るのは嬉しいんじゃないかなって思います。」

-では、加藤健太選手とマリノスサポーターとほかのサッカーサポーターで力を合わせて地元のサッカー少年達にボールを贈りる計画を立てましょう!

「それは本当にありがたいです! 僕の地元は塩釜というよりも東松島市なんですが、そこの少年サッカーチームの地区予選等の大会などは石巻市のチームとも一緒なんです。だいたい20チームくらいあるんじゃないですかね。もし、その全員に配れたら凄いですよね。僕もそういった活動がしたくて地元に戻ってきたので、協力出来る事はやらせてもらいます。」

-最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

「自分みたいな選手をどこのチームにいようがいつも応援してくれているファンの皆様 本当にありがとうございます。本当に励みになります。
東日本大震災からもうすぐ1年5ヶ月が経過しますが被災地のサッカー少年達はさまざまな苦悩を心の奥底にしまいながらプレーしています。そんな子ども達の苦労を少しでも薄くしたいと思い皆様の善意をなんとかよろしくお願いします。 そして、これからも応援宜しくお願いします!」

 

まだ新しいサッカーボールがいきわたらないという被災地に、少しでも私たちの思いを届けたい!そのために加藤健太さん、そして多くのサッカーファン・サポーターに協力してもらいたいと考えています。
詳細は以下のとおりです。

ぜひともご協力ください!


–宮城(東北)のサッカー少年たちへ新品のボールをプレゼント—
サッカーサポーターによる被災地復興支援2012

【概要】
被災地(宮城県石巻市・東松島市)の少年サッカーチームに、加藤健太(横浜F・マリノスユース出身/元ロアッソ熊本)を通じて、新品のサッカーボールを1人1コを目標に寄付しよう!

【募金について】

1口千円からにて約500口を目標とした募金を募ります。

(1)募金の受け付け
a.NPOハマトラの非営利募金口座に振り込みください。
(本日7/21より受付開始)
b.7/28(土)ホームゲーム清水戦のニッサンスタジアム・トリコロールランドのハマトラブースにて直接受付

(2)募金の使い道
①アディダス・ジャパン様、モルテン様と横浜マリノス株式会社の協力を得てNPOハマトラが購入します。
②加藤健太さんを通じて、被災地(宮城県石巻市・東松島市)の少年サッカーチームに寄付いたします。

(3)募金の目標
a.上記のサッカーチームに所属する少年全員に寄付することを目標とします。
b.そのため約500口の寄付を目標といたします。

(4)募金のしめきり
【銀行振り込み】
2012年7月30日(月)午前まで
【ハマトラブースでの募金】
2012年7月28日(土)試合開始30分前18:30まで
※ニッサンスタジアム・トリコロールランド ハマトラブースにて

【募金振込口座】
横浜信用金庫 本店営業部 普通725742
NPO法人ハマトラ・横浜フットボールネットワーク

→7/28ホームゲームの直接受付は混雑が予想されます。可能であれば振込口座をご活用ください。
※NPOハマトラの口座の使途明細は毎年の決算にて本サイトで公開させていただいております。

NPOハマトラでは、サッカーを通じて社会に貢献する活動を、クラブや選手やマリノスにかかわる人たちとともに様々なかたちで続けてまいります。